2006年7月20日(土)



千葉県内にも生息すると言われているヒラタクワガタ。

自分も以前から県内でヒラタを見つけてみたいと思っていたが

いろいろな人のクワ採集記を読む限りでは生息場所はわずかな地域に限定されているようで、

とてもとても自分には発見不可能と思われ、初めから諦めていた。



ところが最近BBSにふじたいらさんから県内ヒラタ情報をいただいた。

「ここに行けば採れるよ!」

という情報では、ヒラタ発見に至るまでの過程を楽しむことができないので、

必要最小限にして重点をしっかり押さえた情報のみを教えていただいた。
(ふじたいらさん、ありがとうございます!)




頂いた情報の、

『ニレ、クヌギ、ヤナギ、マテバシイなどの樹液で採れる
 のうち、

クヌギとヤナギはこれまで同様。ニレとマテバシイは何となくイメージできるが、

実際に「これっ!」と特定するほどは知らない。

そこでネット検索だ。

今は世の中便利だなぁ。

探し出した樹皮、葉などの画像をプリントアウトして持参していくことにした。




朝10時頃、ホンダモビリオにいつもの車中泊用品、バーナー、コッヘルなどの野外調理道具一式、

撮影機材一式、さらに海でのルアー釣り道具もおまけで積み込んで流山を出発した。

新たに開通した館山自動車道へと進み、ヒラタの匂いがしそうな山が見えてきた辺りで下りて、

午後1:30頃、第一回目の房総ヒラタ探索は内陸部の山里からスタートすることにした。



まずは付近一帯に見えるクヌギ、コナラを調べてみることにした。




先ずは車を停めたすぐ近くにある田んぼ脇に生えた一本のクヌギをチェック。






いきなり目にとまったのは大きなコクワの姿だった。

体調を測ってみると46.7mm。

ひさしぶりに見たデカコクワだった。

以前に筑波山近くの栗畑で見たヤツほどのインパクトは無かったが、

50mmUPブリーディング用に持ち帰ることにした。




つづいて付近の山へ突入した。

房総の山には人に着いて吸血するヤマビルがいるらしいので、

長袖長ズボン長靴、頭には白いタオルをかぶって手袋をはめて入ることにした。




樹液の出ているクヌギはカナブンだらけだった。



若いクヌギの樹液を啜るカブトムシ。(ブレたぁ〜!)



カナブンにまじってコクワの姿も。




クヌギの洞から顔を出すノコ。

この日は脚立を持参していなかったので高所の洞を覗くことはできない。





常緑広葉樹の森はさすがに暗い。

そのなかにクヌギ、コナラなどが点々と生えていて、場所によっては盛大に樹液が流れ出ていて

カナブンとスズメバチが来ていた。

そんな山の中を昇り降りしながら片っ端から樹液をチェックしていくと、

洞の中にコクワの大顎が見えた。

大顎が太くて大きそうだったのでピンセットで格闘の末引っ張り出すことに成功した。



洞から出したコクワ43mm。

残念ながら大顎が立派だったのに体は小さかった。



あれっ!? 何やってるんだろ・・・・。

ヒラタ探しに来たのに、いつの間にかデカコクワ探しになってしまっている。

一つの山を見終えたら次の山へという具合に徘徊していたら

いつの間にか時計の針は午後4時を指していた。

ああ、一ヶ所で2時間半も費やしてしまった・・・・。

もっと効率よく各地を巡ってみないとヒラタには辿り着かんなこりゃ!

一応森の中でニレ、マテバシイを探したが、ここでは確認できなかった。





車に戻ると妻は読書に夢中で退屈はしていない様子だった。

大汗かいてしまったのでクーラーボックスからよく冷えたスポーツドリンクを取り出して

体に流し込んで一息ついた。



そこから車を走らせて途中にある小さなダム湖脇のクヌギ林を見たりしながら

少しずつ先へ進んでいった。


道路脇にあったクヌギでクロカナブン発見。

この少し上にあった洞でコクワのメスを見つけたので、先ほど採った46.7mmと合わせて

鋸南町産コクワのペアが成立した。



そこから先は12年前の地図を頼りに自然度の高そうな地域を探しながら走り続けた。

和田漁港方面へと続く道を走っていったら道端にボクトウガにボッコボコにされた

樹液だらだらヤナギがあった。

近寄ってみると、その木はカナブンに支配されていた。




樹液の匂いが立ちこめる中、洞の中に黒いクワガタを見つけた。

ピンセットで引っ張り出そうとしたら失敗して、洞の奥底へと逃げられてしまった。

コクワだったのか? まさかのヒラタだったのだろうか?





途中、のどかな山村を走っていると、畑や田んぼの方から熱い視線をふと感じた。


なんだこいつら!(笑)

農作業用の水を貯めておくタンクだった。

それにしてもこれ、顔だよな・・・・・(笑)



おまえら〜! なにやっとんじゃーーー!!







海辺が近づくにつれて植生が変わってきた。

タブノキ、マテバシイなどが確認できたが、山が急斜面な上に、

道幅が狭くて車が停められない。

しかも夕方になり暗くなり始めたので、採集はあきらめてスーパーで食料品を買い込み、

海沿いの道の駅に車を停めて晩御飯の支度をすることにした。




飯盒で飯を炊いてフライパンで肉や野菜を炒めてビールを飲みながら夕食をとった。

そこで一休みしてから、妻に訊いてみた。

「山間部を巡る灯下採集と夜釣りとどっちがいい?」 と。

「もちろん夜釣りでしょう!!」 

と答えが返ってきたので夜の鴨川港へ行ってみた。

夜行性のメバル、カサゴ、アイナメの類が釣れないかとワームで堤防際などを狙ってみたが

魚が居ないのか腕が悪いのか、一度だけアタリがあったものの何も釣れなかった。

さらに天津港へ移動して粘ってみたが残念ながらダメ・・・・。

時計を見ると夜10:30になっていた。

「これから灯下巡りに行ってもいい?」と妻に訊いてみると、

「いいよ。でも私は寝てるから・・・」と一応OKが出た。




さて、そうとなると燃えてきた。

やっぱり今の自分は釣りよりもクワ子探しのほうに興味が傾いているのだった。

地図を見て散策ルートを決定させて、山道を登り始めた。




すると・・・・・・・・・・ありゃりゃ!

ちょうど良さそうな山の中腹にある煌々とした水銀灯の下を

懐中電灯持って徘徊するライバルを発見してしまった。

競合者がいるんじゃないかとある程度は予想はしていたが、

出鼻をくじかれたような感じだった。

なんとなく素通りしてしまったが、話しかけて情報収集すればよかったと後悔した。





さらに山を登っていき、もう既に競合者がチェックしてしまったであろう外灯を一応調べていった。

すると街灯が集中して一際明るくなった峠のところにあるT字路で、

見覚えのあるヤツと御対面することができた。



おおっーーーー! 房総ミヤマ!!


ん!? ミヤマはミヤマなんだけど、なにか違和感があるような?

南会津で採れるミヤマとは大顎の形状が違うような気がした。

エゾ型、フジ型とかいう違いだろうと、そのとき感じた通り、

帰宅して調べてみたら、これは第一内歯が発達したフジ型の大顎を持つ個体だった。




喜んでミヤマを眺めていると、一台のワゴン車が停まった。

おっちゃんが窓から顔をだして、

「山には入らないようにな! 蛭がいるから!」

と親切に教えてくれて、走り去っていった。

なるほどね。 やはり相当に蛭が生息しているんだな。

灯下を巡っての落ちているクワガタ拾いでは、まあ大丈夫だろう。




しばらくするともう一台乗用車が停まった。

「採れた〜?」と自分より少し年下風な男がにこやかに話しかけてきた。

自分と同じクワ採集人のように見えたので、

とっさに手にしていたミヤマを嬉しそうに見せてしまったが、

話をしてみると地元の人でクワガタには興味のない人だった。

しかしまあこの辺りではクワ採集人と地元の人はうまくやっているようで、

なんだか嬉しくなってしまった。





再び車に乗り込んで坂道を下っていると、道路を奇妙な生き物が横断した。

いままでに見たことのある動物との照合作業がカシャカシャと脳内で行なわれたが、

『該当なし との答えが出そうになったが、寸前で動物名がひらめいた。


「アナグマだ!!」




子供らしき小さいのが二匹と親らしき大きいのが一匹。

道路脇で逃げることなくこちらの様子をうかがっていたので、

大特急で一眼デジに望遠レンズを装着して歩み寄っていった。

アナグマたちは大慌てでU字溝の中に姿を消してしまったが

運良く親アナグマがひょっこり顔を出した。




このアナグマ出現で妻はすっかり目を覚ましてしまったので、

この後の灯下採集を手伝ってくれる事となった。


しばらく走り外灯が無く真っ暗な場所まで行って車を停めて、

道路上に張り出した木の枝にミヤマを?まらせてリリースした。




次の外灯を妻と二人でチェックしている時だった。

道端の草むらがガサガサと音を立てた。

何が居るのか!?

懐中電灯を向けてみるとシカがこちらを見ていた。

残念ながらカメラを持っていなかったので、撮影することが出来ないうちに逃げてしまった。



妻と二人で 「わ〜い! こんどはシカだぁ〜♪」 と喜んでいたら

ふと見た左腕に何か黒っぽいものが付着しているのに気が着いた。

何だろうと触ってみるとグニャっとした感触が・・・・・・。

「ぎょえーーーーーー! ヒルだぁーーーーーー!!!」

蛭だということが判明してから0.5秒の速さで払いのけようと手で叩いた。

しかしガッチリと皮膚に噛み付いていてなかなか離れようとしない。

5秒後くらいにやっと引きちぎることに成功したが、腕からは血が出てきてしまった。

恐らくミヤマをリリースした枝に居たものが、人間の息を感じ取って落下してきたに違いない。

皮膚に取り付いたときの感触は何もなかった。

しかも翌日になっても絆創膏を剥がしたら出血が止まらないじゃないか!

調べてみたら、蛭はヒルジンという血を固まりにくくする物質を皮膚に注入して吸い続けるとの事だった。

なんと恐ろしいヤツ!! 




途中の外灯でクワガタ採集の強力なライバルに遭遇した!


猫ちゃん・・・・。

灯下に飛んでくる虫をひたすら待っているようだった。


猫にとってはミヤマもカブトもオオクワも同じ。

たちどころにオモチャにされて死んでしまうだろうな。




さらに外灯を目指して進んでいくと亀山ダムへ通じる国道に出た。

灯下にはカブトムシの数が増えてきた。



車に轢かれてしまってはかわいそうなので、拾い上げては袋に詰めて外灯のない辺りまで行って

藪に向かって放り投げる作業を繰り返していった。

合計何頭のカブトを救出しただろうか。

合計したら50頭ほど投げただろう。
(翌日はカブト投げのせいで筋肉痛になってしまったw)


そんな中で再びミヤマに遭遇した。




一瞬オオクワ発見かと思ってびっくりしてしまったじゃないか!!




こんなヤツもよく落ちていた。


コフキコガネ






外灯を巡り始めて数時間、時刻は既に2時を回っていた。

妻はあまりにも多くのカブト虫を見すぎた為に、カブト中毒に陥り、助手席で寝てしまった。

それからも一人で黙々と落ちているカブトムシを救出し続けた。

もうほんとに数えきれないほど・・・・。

いつの間にか手がカブトムシ臭くなってしまった。


どんな匂いかと言うと、キャスターマイルド(たばこ)が何故だかカブト味だ。

なんじゃそりゃ!(笑)



ざんねんながら第一回房総ヒラタ探索は不発に終わってしまった。

昼間の採集では一ヶ所で粘りすぎた為、広く探ることができなかった。

房総ヒラタを見つけるまでは相当に時間が掛かりそうだなー。

また今度来ることにしよう。 次は昼間の採集をメインに。

夜はカブトが多すぎて疲れるから・・・・・。

ヒラタって灯下にはあまり集まらないんじゃないかな?












今日の結果

コクワ♂ 1頭
コクワ♀ 1頭

ミヤマクワガタ♂ 2頭
ミヤマクワガタ♀ 3頭

カブトムシ ♂♀ 上まできっちりバケツ1杯くらい